2012年02月17日
醤油じゃない醤油がつくられてる
醤油じゃない醤油がつくられてる
最近は1リットル200円の醤油や
中には特売が重なって1リットル100円の醤油なんかもあるそうです。
醤油1リットル 100円
正直ありえないです。
本来醤油は大豆と小麦、塩と麹によってつくられます。
長い期間熟成され、
麹からつくられた酵素が大豆や小麦のたんぱく質を天然のアミノ酸に、
でんぷんを糖分へと変化させます。
こうやって天然の旨みを熟成発酵によって生じさせるのが醤油です。
手間もかかれば暇もかかります。
まず100円ではできません。
では何故100円の醤油が存在するのでしょうか。
それは醤油ではないからです。
醤油風の調味料なのです。
しょうゆの旨みのもとはアミノ酸です。
このアミノ酸は長期熟成発酵させなくともタンパク質を塩酸で分解すれば
人工的に創りだすことができます。
この時に使用する大豆は脂を絞った後の絞りかすの脱脂加工大豆で十分に
精製可能です。
しかしこのままでは色も香りも十分なうまみもありません。
そこで添加物です。添加物を使えばさらに本物に近づけることができます。
まずはグルタミン酸ナトリウムで旨みを強化
ステビアやサッカリンナトリウムなどで甘みを追加し、
増粘多糖類でコクとトロミを補強、
色は「カラメル色素」で着色。
香り付けには「本物の醤油」を少々。
熟成発酵していないため日持ちがいまいちです。
そのために「安息香酸」等の保存料を添加します。
これで味も匂いも見た目も似ている醤油風調味料をつくることができます。
これなら1リットル100円のコストでつくることもできなくはないでしょう。
すなわち100円の醤油は醤油ではなく醤油風調味料なのです。
このご時世、安いものが売れると思われがちですが、
安いものには安いなりの理由があります。
そしてその理由を消費者のほとんどは知りません。
安いものが悪いというわけではありません。
安いものはどうして安いのか。
そして高いものはどうして高いのかを、
消費者はもっと深く考えるべきだと思います。
発酵と無添加の漬物「樽の味」
Posted by 細田幸平 at 19:34│Comments(0)
│食と添加物